「セックスレス20年。でも離婚は考えなかった」──専業主婦だった私が触れられる喜びを取り戻すまで

夫婦関係が破綻しているわけじゃない。
むしろ、家族としては理想的だと言われることも多い。
でも、ふとした瞬間に訪れる「このまま女として終わるのか」という焦り。
20年間のセックスレスを経て、それでも離婚を選ばなかった女性が、触れられる喜びを再発見するまでの物語です。
今回は、千葉県在住・二児の母であるM.Hさんの体験を通して、家庭を守りながらも「女性としての自分」を取り戻した女性のリアルな声をお届けします。
目次
「夫婦」だけど「恋人」ではなかった20年

夫とは25歳のときに結婚しました。
お見合いパーティーで出会って、交際3ヶ月でのスピード婚。
当時は「この人となら安心して暮らせる」という確信がありました。
実際、夫は誠実で優しい人です。
子育てにも協力的で、経済的にも安定している。
友人たちからは「理想的な家庭だね」と言われることも多くて。
表面的には、なんの不満もない結婚生活でした。
でも、結婚2年目には、もう夫婦の営みがなくなっていたんです。
「最初は気にならなかった。子育てに必死で、そんなこと考える余裕もなかったから。でも、気づいたら20年。一度も夫に触れられることなく、過ぎていったんです」
夫から拒まれたわけじゃありません。
むしろ私も、疲れていて求める気力がなかった。子どもが小さいうちは「仕方ない」と思っていたし、夫婦関係が悪いわけでもなかったから、問題だとも思わなかったんです。
でも、下の子が高校に入って手が離れてきた頃。
ふと鏡を見たとき、「私、このまま女として終わるんだな」って、実感してしまったんです。
性欲の再燃に、自分でも戸惑って

45歳を過ぎてから、不思議なことに性欲が戻ってきたんです。
むしろ、若い頃よりも強くなったような気さえする。
「最初は自分でも戸惑いました。この年齢で、こんなこと考えるなんて恥ずかしいって。でも、体が求めてるのは事実で……。どうしたらいいのか、わからなかったんです」
夫に相談することは考えられませんでした。
20年もレスだったのに、今さら「したい」なんて言えない。
それに、夫は完全に性欲がなくなっているように見えたんです。
そんなとき、YouTubeで偶然、既婚者専用マッチングサイトの広告を見かけました。
「『既婚者同士なら、同じ悩みを持つ人がいるかもしれない』って。軽い気持ちで登録してみたんです。最初は話し相手が見つかればいいくらいの感覚でした」
でも、その一歩が、私の人生を大きく変えることになるとは思ってもいませんでした。
アプリ選びで見えた「体の関係」への違和感

正直に言うと、最初はいくつかのサービスを試してみたんです。
でも、どこも「体の関係ありき」というプロフィールばかりで……。
メッセージも、すぐに「会ってホテル」という流れになることが多かった。
「私が求めてるのは、そういうことじゃないって気づいたんです。体の関係より、もっと手前の……。誰かに女性として見てもらえること、触れてもらえることが欲しかったんだって」
その中で「既婚者クラブ」だけは、明らかに空気感が違いました。
プロフィールに「まずは会って話したい」「ゆっくり関係を築きたい」と書いている人が多くて。
やり取りも丁寧で、焦らされる感じがなかったんです。
「『セクシャル・ウェルネス』という項目があって、自分の求めるペースや関係性を設定できるのも安心でした。体の関係は慎重派と書いておいたら、それを尊重してくれる人からメッセージが来たんです」
触れられることの価値に、初めて気づいた
最初にマッチしたのは、2歳年上の会社員・Kさん(47歳)でした。
子どもがいて、奥さんとも20年近くレス。
「話が合いそうだな」と思って、思い切って会ってみることにしたんです。
初めて会ったとき、Kさんは緊張した様子で待っていました。
ランチをしながら、お互いの家庭のこと、悩みのこと、たくさん話をして。
「帰り際、Kさんが『また会えますか?』って聞いてくれたんです。それだけで、すごく嬉しかった。誰かにまた会いたいと思ってもらえることが、こんなに心に響くなんて……」
3回目のデートのとき、Kさんが手を繋いでくれました。
「20年ぶりに、夫以外の男性に触れられて。涙が出そうになったんです。体の関係とか、そういうことじゃなくて。ただ触れられることが、こんなに幸せなんだって、初めて気づきました」
Kさんとは、それ以上の関係にはなっていません。
月に2回くらい会って、カフェで話したり、手を繋いで散歩したり。
それだけで、私は満たされているんです。
「Kさんも、無理に関係を進めようとしない。『M.Hさんのペースで』って、いつも言ってくれる。だから安心して会えるんです」
家庭は守る、という揺るがない線引き

外出するときは、「友だちとランチしてくる」「ショッピング行ってくる」と夫に伝えています。
夫は「楽しんでおいで」と笑顔で送り出してくれます。
もちろん、後ろめたさはあります。罪悪感もある。
「でも、私は離婚する気はないんです。夫のことは、家族として本当に大切に思っているから。Kさんとの時間は、あくまで私自身のための時間。家庭を壊すつもりは、一切ありません」
むしろ、Kさんと会うようになってから、夫に対しても優しくなれた気がします。
心に余裕ができて、イライラすることが減ったんです。
ある日、夫に言われました。「最近、明るいね。なんかいいことあった?」って。
ドキッとしたけど、夫はまさか既婚者クラブで誰かと会っているなんて思ってもいないみたいで。
「友だちと会う時間が増えたから、リフレッシュできてるのかも」って答えました。
実際、その通りなんです。Kさんとの時間が、私の心を満たしてくれている。それが、家庭にも良い影響を与えているんだと思います。
「この関係が、家庭を壊すものであってはいけない。それだけは、絶対に守らなきゃいけない線引きだと思っています」
罪悪感と向き合いながら、自分を許すまで
最初の頃は、罪悪感でいっぱいでした。
夫を裏切っているんじゃないか、こんなことしていいのか、って。
「でも、ある日Kさんに言われたんです。『M.Hさんは、自分を大切にしてこなかったんじゃないですか? 20年間、家族のために生きてきて。それは素晴らしいことだけど、自分の幸せも大事にしていいんですよ』って」
その言葉で、少し楽になれました。
私は20年間、母として、妻として、全力で家族を支えてきた。それは事実です。でも、その間、女性としての自分は完全に置き去りにしていたんです。
「もちろん、やめなきゃなって思うこともあります。夫が優しくしてくれると、余計にそう思う。でも……。自分を許してあげたいんです。私だって、幸せになっていいんだって」
身バレには、かなり気を遣っています。プロフィール写真は顔の一部だけにして、詳しい住所や職場の情報は書かない。やり取りも、家族が寝静まった夜中にするようにしています。
使う時間は限定的。でも、そのほんの少しの時間が、私の心を支えてくれているんです。
私の評価は、限りなく満点に近い「4.5」
私の評価は、正直に言えば「4.5」くらいです。
完璧かと言われたら、そうではない。メッセージのやり取りで疲れたこともあるし、「やっぱり違うかも」と思った相手もいました。プロフィール写真と実物が全然違う人もいたし、最初から体目的だとわかる人もいた。
でも、焦らずに探せば、ちゃんと合う人がいる場所だった。
体の関係を急がない人も、きちんと存在している。自分のペースを書いておけば、それを読んでくれる人もいる。私の場合は、何人かとやり取りして、実際に会ったのは3人。そのうちの1人が、今も会い続けているKさんです。
それだけで、私には十分でした。
もしあのとき登録していなかったら、私はきっと今も、「女として終わるのかな」と鏡の前で立ち尽くしていたと思います。夫との関係も、今ほど穏やかじゃなかったかもしれない。
おすすめかと聞かれたら、強く勧めるというより、「私には必要だった」と答えます。誰にでも合うとは思わない。でも、同じように悩んでいる人がいたら、「一度試してみてもいいんじゃない?」とは言えます。
M.Hさんのように、「長年のセックスレスでも、家族は大切にしたい」「でも、女性としての自分も取り戻したい」と思う女性は少なくありません。
既婚者クラブでは、さまざまな背景を持つ既婚者同士が、自分のペースで関係を築いています。
既婚者クラブ運営
N.Aさん
33歳