SNSや雑誌などで見かける機会が増えてきた「セカンドパートナー」。ファーストパートナーである配偶者とは違う、心の支えになると言われる存在です。そんなセカンドパートナーを持つ男女が増えており、出会いのプラットフォームも増加中。
なぜ人はセカンドパートナーを持つのか、そして現在セカンドパートナーがいる男女はどれくらいいるのか、既婚男女3,000人を対象にアンケート調査を行いました。
調査期間:2024年4月12日~2024年4月12日 調査対象:全国の30歳~59歳以下の既婚男女 調査方法:インターネット(アンケートツール「Freeasy」を利用) 調査エリア:全国 回答数:3,000人(男性1,501人・女性1,499人) |
まず、セカンドパートナーと聞いてどのようなイメージが浮かぶのかを自由記述形式で回答してもらいました。
<男性の回答(多かったもの)>
<女性の回答(多かったもの)>
男女問わず、多くの人がセカンドパートナー=不倫・セフレという認識でした。
■自分も欲しいという意見
■肯定的な意見
■否定的な意見
肯定的な意見では、「多様性」という言葉を使い、自分の気持ちとしては受け入れられないけれど、夫婦間で納得していれば良いのではという内容が目立ちます。
一方、否定的な意見はさまざま。ファーストパートナーである配偶者のことを思うのはもちろん、子どもへの影響を考える意見が多く寄せられました。
セカンドパートナーのイメージは、男女・年齢を問わず圧倒的に否定的な意見が多いという結果になりました。
現在セカンドパートナーがいると回答したのは、既婚男女3,000人のうち229人(7.63%)。
<男女別の内訳>
男性:1,501人中151人(10.1%)
女性:1,499人中78人(5.2%)
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| 全体 | いる | いない |
30代 | 男性 | 252人 | 36人(14.29%) | 216人(85.71%) |
女性 | 431人 | 24人(5.57%) | 407人(94.43%) | |
40代 | 男性 | 500人 | 50人(10%) | 450人(90%) |
女性 | 545人 | 30人(5.5%) | 515人(94.5%) | |
50代 | 男性 | 749人 | 65人(8.68%) | 684人(91.32%) |
女性 | 523人 | 24人(4.59%) | 499人(95.41%) |
いずれの年代でも、女性より男性のほうが「セカンドパートナーがいる」と回答した人が多くなりました。
セカンドパートナーへのイメージ調査でも、セカンドパートナーに肯定的な意見を述べたり、自身も「欲しい」と回答したりしたのは男性が多数でした。
現在セカンドパートナーがいないと回答した2,771人(男性1,350人・女性1,421人)に対し、「セカンドパートナーが欲しいと思ったことがあるか」を聞きました。
この質問には、「(セカンドパートナーが)欲しいと思ったことがある」「欲しくない」に加え、以下の選択肢を追加しています。
欲しくないという回答が圧倒的多数でしたが、現在ではなく過去にセカンドパートナーがいたと回答した人が207人(男性143人・女性64人)いました。
「欲しいと思ったことがある」「現在欲しいと思っている」と回答した人は609人(21.98%)。配偶者以外の異性と親密なかかわりを持ちたいと感じる人が一定数いることがわかります。
また、「体の関係がないなら欲しい」と回答した人は128人(男性44人・女性84人)。男性のほうが体の関係を望んでおり、女性は心のつながりを求めていると言えます。
「過去にセカンドパートナーがいた」と回答した207人(男性143人・女性64人)に対し、現在その人とどうなったかを聞きました。
当時のファーストパートナーである配偶者と離婚し、セカンドパートナーである相手と結婚したと回答した人が15人。結婚はしていないものの、現在も連絡を取り合うなど何らかの形でかかわりを持っている人は32人、一切の関係を絶ったと回答した人が154人でした。
また、その他に寄せられた回答はこちらです。
現在セカンドパートナーはいないものの、「現在欲しいと思っている」「体の関係がないなら欲しい」「欲しいと思ったことがある」と回答した男女737人(男性488人・女性249人)に、どのようなきっかけがあったら実際にセカンドパートナーを作りそうか聞いてみました。
<男性の回答>
■30代
■40代
■50代
<女性の回答>
■30代
■40代
■50代
男女ともに「気の合う人がいれば」「好みの人がいれば」という回答がもっとも多くなりました。配偶者と喧嘩したりセックスレスの状態になったりしたときなど、配偶者との関係悪化がきっかけとなるケースも多そうです。
また、「セカンドパートナーが欲しい」と考えたことがあり、何らかのきっかけがあっても、やはり行動には移さないという回答もありました。
現在セカンドパートナーがいると回答した男女229人(男性151人・女性78人)に対し、セカンドパートナーを作った理由・きっかけを聞いてみました。
もっとも多かったのは「配偶者とのセックスレス」。僅差で、セカンドパートナーのことを「好きになったから」という回答が続きます。
セカンドパートナーがいない人に、「どんなきっかけがあったらセカンドパートナーを作りそう?」と聞いた質問の回答同様、配偶者とセックスレスになっていたり、自分と相性の良い人がいたりすると、セカンドパートナーを作るきっかけになるようです。
その他、セカンドパートナーを作った理由・きっかけについて寄せられた意見です。
セカンドパートナーがいると回答した男女229人(男性151人・女性78人)に、セカンドパートナーと出会った場所や方法について聞きました。
男女ともにもっとも多かったのは「職場」でした。職場では、同僚・上司・部下・先輩・後輩・取引先など幅広く、接する機会が多くなれば心を許しやすくなると言えます。
他にも、マッチングアプリ(出会い系アプリ)、知り合い(友人や同級生など)、SNSと続きます。さまざまなシチュエーションがありますが、その中でも少数派だった出会いは以下の通りです。
どのような出会いでセカンドパートナーという関係に発展するかは人それぞれですが、もともとの関係性が近かったり、接触する頻度が高かったりすると急接近しやすいことは確かです。
セカンドパートナーがいると回答した229人(男性151人・女性78人)に、セカンドパートナーができたとき、配偶者に不満があったかどうかを聞きました。
「はい(不満があった)」と回答したのは143人(男性85人・女性58人)。
一方、「いいえ(不満はなかった)」と回答したのは86人(男性66人・女性20人)と、配偶者に不満がないにもかかわらずセカンドパートナーを持ったという人も多く見られました。
年代別の回答は以下の通りです。
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| はい (不満があった) | いいえ (不満はなかった) |
30代 (60人) | 男性(36人) | 24人(66.67%) | 12人(33.33%) |
女性(24人) | 19人(79.17%) | 5人(20.83%) | |
40代 (80人) | 男性(50人) | 33人(66%) | 17人(34%) |
女性(30人) | 23人(76.67%) | 7人(23.33%) | |
50代 (89人) | 男性(65人) | 28人(43.08%) | 37人(56.92%) |
女性(24人) | 16人(66.67%) | 8人(33.33%) |
配偶者に不満があったと回答した人が多数派だったものの、唯一「いいえ(不満はなかった)」の回答が多かったのが50代男性。「はい」を大きく上回っており、それでもセカンドパートナーを作ったということです。
セカンドパートナーとどれくらい交際しているのか、交際期間を聞いてみました。
5年以上交際しているという回答がもっとも多い結果となりました。
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| 30代 | 40代 | 50代 |
半年未満 | 男性 | 8人(22.22%) | 0人(0%) | 7人(10.77%) |
女性 | 5人(20.83%) | 4人(13.33%) | 2人(8.33%) | |
半年~1年未満 | 男性 | 7人(19.44%) | 12人(24%) | 6人(9.23%) |
女性 | 5人(20.83%) | 2人(6.67%) | 3人(12.5%) | |
1年~3年未満 | 男性 | 9人(25%) | 18人(36%) | 7人(10.77%) |
女性 | 8人(33.33%) | 7人(23.33%) | 4人(16.67%) | |
3年~5年未満 | 男性 | 5人(13.89%) | 7人(14%) | 14人(21.54%) |
女性 | 0人(0%) | 5人(16.67%) | 1人(4.17%) | |
5年以上 | 男性 | 7人(19.44%) | 13人(26%) | 31人(47.69%) |
女性 | 6人(25%) | 12人(40%) | 14人(58.33%) |
交際年数がもっとも長いのはやはり50代。30代は交際1年~3年未満がもっとも多いものの、半年未満・半年~1年未満とほとんど変わりません。
セカンドパートナーがいると回答した人に、セカンドパートナーができたのは結婚何年目だったかを聞きました。
セカンドパートナーができたのは、配偶者との結婚8年目以降と回答した人がもっとも多い結果となりました。
中には、結婚1年未満の新婚ですでにセカンドパートナーができた人も。1年~8年未満までは男女ともにほとんど違いがありません。
結婚1~2年で子どもができたと仮定すると、結婚8年目以降は子どもが小学校に上がるタイミング。子どもの手が離れて働き始めるという女性が増え、お互いに仕事・家事が忙しくなり、すれ違いが起きてしまうことも考えられます。
ここからは、「現在セカンドパートナーがいる」と回答した人に向けてより深掘りした質問を行いました。
調査期間:2024年4月15日~2024年4月22日 調査対象:全国の30歳~59歳以下のセカンドパートナーがいる既婚男女 調査方法:インターネット(アンケートツール「Freeasy」を利用) 調査エリア:全国 回答数:220人(男性146人・女性74人) |
現在セカンドパートナーがいる人に、子どもの有無、子どもがいる場合は何歳くらいなのかを聞きました。
年齢別にすると、以下の通りです。
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| あり (妊娠中) | あり (未就学児) | あり (小中学生) | あり (高校生) | あり (成人済) | なし |
30代 | 男性 (36人) | 7人 (19.44%) | 16人 (44.44%) | 19人 (52.78%) | 4人 (11.11%) | 1人 (2.78%) | 3人 (8.33%) |
女性 (21人) | 4人 (19.05%) | 8人 (38.10%) | 9人 (42.86%) | 3人 (14.29%) | 1人 (4.76%) | 5人 (23.81%) | |
40代 | 男性 (49歳) | 2人 (4.08%) | 17人 (34.69%) | 29人 (59.18%) | 17人 (34.69%) | 8人 (16.33%) | 4人 (8.16%) |
女性 (29人) | 1人 (3.45%) | 5人 (17.24%) | 13人 (44.83%) | 6人 (20.69%) | 11人 (37.93%) | 6人 (20.69%) | |
50代 | 男性 (61人) | 0人 | 2人 (3.28%) | 10人 (16.39%) | 9人 (14.75%) | 36人 (59.02%) | 13人 (21.31%) |
女性 (24人) | 1人 (4.17%) | 2人 (8.33%) | 6人 (25%) | 4人 (16.67%) | 14人 (58.33%) | 3人 (12.5%) |
30代・40代は男女いずれも「小中学生の子どもがいる」という回答がもっとも多い結果に。50代は「成人済みの子どもがいる」という回答が男女ともに多くなりました。
子育て真っ最中の人が多い30代・40代は、やはり小中学生がいると回答した人が最多。子どもが大きくなってくると夫婦二人の時間も少なくなり、少し手が離れたタイミングでセカンドパートナーを持ち始める人がいるようです。
現在セカンドパートナーがいるという男女は、果たしてセカンドパートナーの存在をファーストパートナーである配偶者に伝えているのかを聞いてみました。
男女ともに、7割ほどが「いいえ(伝えていない)」と回答。
セカンドパートナーの存在を配偶者に伝え、認知・理解してもらっている人も少なくありませんでした。
| 30代 | 40代 | 50代 | |||
男性 (36人) | 女性 (21人) | 男性 (49人) | 女性 (29人) | 男性 (61人) | 女性 (24人) | |
はい | 21人 (58.33%) | 7人 (33.33%) | 17人 (34.69%) | 7人 (24.14%) | 7人 (29.17%) | 7人 (29.17%) |
いいえ | 15人 (41.67%) | 14人 (66.67%) | 32人 (65.31%) | 22人 (75.86%) | 54人 (88.52%) | 17人 (70.83%) |
年齢別では上記の通り。
セカンドパートナーの存在を配偶者に伝えていない年代がほとんどですが、唯一「はい(伝えている)」が上回っていたのが30代男性でした。
年齢が上がるにつれて、セカンドパートナーの存在を極秘にしている人の割合も増えています。
セカンドパートナーと連絡を取るペースや、連絡方法について聞いてみました。
毎日連絡を取るという人が多数派でした。しかし、中には1か月に1回も連絡を取らないという人も。
セカンドパートナーとの関係を配偶者にオープンにしていれば、こまめに連絡を取るのも難しくないかもしれません。ただ、大半の人は配偶者にセカンドパートナーの存在を伝えておらず、現実的に考えると毎日連絡を取ると配偶者に怪しまれる可能性が高くなるでしょう。
続いて、セカンドパートナーとの連絡方法についてです。
「LINE(ライン)」で連絡を取る人がほとんど。その他、携帯電話各社が提供するキャリアメールやGoogleのGメールを含めた「メール」、X(旧Twitter)やInstagramなどSNSのDM(ダイレクトメール)、電話と続きます。
また、その他の回答では「職場」という声も。やり取りのようすが残る方法ではなく、直接会って話すという人も見られました。
セカンドパートナーとどれくらいのペースで会うのか、また会う主な時間帯はいつなのかを聞きました。
もっとも多かったのは「週1~2回」。次いで「月2~3回」「月1回程度」「週3回以上」と続きます。ばらつきはあるものの、週1回程度会う人が多く見られました。
セカンドパートナーと会う主な時間帯は、「平日の夜」がもっとも多い結果に。次いで「平日の日中」という結果でしたが、職場で会っている人もここに含まれるでしょう。
家族を優先するのがセカンドパートナーの暗黙のルールと言えるため、休日に会うという回答はやはり少数派でした。
最後に、「過去にセカンドパートナーがいたことがある」と回答した207人(男性143人・女性64人)に、セカンドパートナーとの破局について詳しく聞きました。
調査期間:2024年4月15日~2024年4月22日 調査対象:「セカンドパートナーがいたことがある」と回答した全国の30歳~59歳の既婚男女 調査方法:インターネット(アンケートツール「Freeasy」を利用) 調査エリア:全国 有効回答数:200人(男性137人・女性63人) |
なぜ、セカンドパートナーと別れたのか、そのきっかけ・理由を聞きました。
配偶者にセカンドパートナーの存在がばれそうになった・ばれたという回答が目立ちました。しかし、もっとも多かったのは喧嘩でのすれ違いや、転勤・引っ越しなどで物理的な距離が遠くなったことによる別れでした。
その他、このような意見も。
コロナウイルス感染症をきっかけに疎遠になったという回答も。また、ファーストパートナーである配偶者との関係が改善したり、妊娠がきっかけになったりしたケースも目立ちました。
セカンドパートナーと破局した後、配偶者との関係はどうなったのかを聞いてみました。
セカンドパートナーと破局して、配偶者との関係が良くなったと回答した人は少数派でした。ほとんどは「変化なし」と回答しており、中には「悪くなった」という人も。
セカンドパートナーと別れた理由の多くが、自然消滅やすれ違いだったことから、破局が配偶者との関係に影響したのは限定的だったようです。
セカンドパートナーを作って「得られたもの」「失ったもの」をそれぞれ聞きました。
まずは、「得られたもの」から。
男女ともに「楽しい時間」「恋愛感情」と回答する人が多数見られました。
<その他の意見>
次に、セカンドパートナーを作って「失ったもの」を聞きました。
男女ともに、「特に失ったものはない」と回答した人がもっとも多い結果となりました。
女性は配偶者や「家族への信頼」「時間」と回答した人が続いた一方、男性は「お金」と答えた人が多数。セカンドパートナーとの関係がばれて慰謝料を支払ったり、相手と別れたいがために手切れ金を渡したりしたことがうかがえます。
<その他の意見>
最後の質問です。セカンドパートナーを作って良かったと思うか、悪かったと思うかを聞きました。
「悪かった」より「良かった」と回答したほうが多数派に。ただし、「どちらとも言えない」と回答した人も多く見られました。
世間一般的なイメージ通り、セカンドパートナーは「不倫」と同じものとみなされる傾向にあります。
しかし、それでもセカンドパートナーを持つに至るには、深い事情も。特に女性は「自分を認めてくれる人に出会えた」「女性として見てもらえた」など、配偶者では満たされない気持ちを埋めてくれる相手だと回答した人もいました。
いずれにしても、セカンドパートナーはファーストパートナーである配偶者ありきの存在。配偶者にカミングアウトをしている人もいましたが、大半はまだセカンドパートナーの存在を伝えていません。
配偶者に不満があるからセカンドパートナーを持つ、ではなく、まずは配偶者との話し合いや関係改善を図りましょう。そのうえで、どうしても問題解決に至らない場合に自分の心を軽くするという意味で、セカンドパートナーを持つ選択肢が初めてあらわれるのではないでしょうか。