嫁姑問題をはじめとする義実家トラブルに悩んでいる人は、残念ながら少なくありません。そのため、年末年始や盆などのいわゆる帰省シーズンは「義実家に行きたくない」と思い悩む人も。せっかくのお正月、義両親に気を遣いながら過ごすのは嫌だと思うことでしょう。
そこで、既婚男女3,000人に「義実家」に関するアンケート調査を実施。義実家に行きたくないと考えている男女はどれくらいいるのかを、義両親との関係性とともに調査しました。
また、義実家(義両親)について配偶者と揉めた経験もヒアリング。義実家問題で夫婦喧嘩に発展する場合、配偶者としてどのように立ち振る舞えば良いのか、問題点もピックアップしているのでぜひご覧ください。
調査期間:2024年11月7日~2024年11月7日 調査対象:全国の30歳~59歳までの既婚男女 調査方法:インターネット(アンケートサイトFreeasyを利用) 調査エリア:全国 有効回答数:3,000(男性:1,527人・女性:1,473人) ・30代…514人(男性152人・女性362人) ・40代…1,015人(男性469人・女性546人) ・50代…1,471人(男性906人・女性565人) |
まず、義実家に行きたいと思うか・行きたくないと思うかを聞く前に、「義実家との関係性」について聞きました。
関係が良好でないと回答する人が多ければ、当然のことながら「義実家に行きたくない」と回答する人が多いと予想できるからです。
全国の既婚男女3,000人に、義実家との関係が良好かどうかを聞きました。
「とても良好だと思う」「まあまあ良好だと思う」と回答した人が多い結果となりました。反対に、「あまり良好でない」「まったく良好でない」は男女とも少数派に。
義実家(義両親や親戚)と良い関係を築いている人が多いことがわかりました。
<男女別の調査結果>
男女ともに「まあまあ良好だと思う」が最多回答でした。
「とても良好だと思う」「まったく良好でない」、両端の回答には男女差があらわれました。男性はとても良好だと感じている人が多いのに対し、女性はまったく良好でないと感じている人が多い傾向に。
特に、40代・50代の女性は「まったく良好でない」と回答した割合が高く、同年代の男性と大きな差が見られました。
【40代で「まったく良好でない」と回答した割合】
【50代で「まったく良好でない」と回答した割合】
「義実家に行きたくない」と思う人はどれくらいいるのかを聞きました。
義実家に行きたくないと感じている人は、既婚男女3,000人のうち1,188人(39.6%)でした。
<男女別の調査結果>
男性1,527人のうち、義実家に行きたくないと回答したのは466人(30.5%)でした。
対する女性は、1.473人中722人(49%)。ほぼ半数が義実家に行きたくないと感じていることがわかりました。
40代女性・50代女性は「義実家との関係が良好でない」と回答した割合が高いという結果でしたが、義実家に行きたくないという回答とも同じになっています。
<年齢別の調査結果>
義実家に行きたくないと回答した割合が特に高かったのは、40代女性・50代女性でした。
「義実家に行きたくない」と回答した既婚男女1,188人(男性466人・女性722人)に対し、なぜ義実家に行きたくないと思うのか、その理由を聞きました。(複数回答可)
もっとも多かったのは「気を遣う(777人)」でした。次いで「疲れる(597人)」「会話が続かない(374人)」「義両親と性格が合わない(263人)」と続きます。
<男女別の調査結果>
男性の回答割合が高かったのは「会話が続かない」「家が遠い」「出費がかさむ」でした。義実家が遠方の場合、交通費がかかったり運転する手間がかかったりすることが考えられます。
女性の回答割合はどの項目でも高いものの、突出しているのは「配偶者が気を遣ってくれない」でした。夫の実家に行ったとき、夫が自分に気遣ってくれないという不満を抱えているようです。
<年代別の調査結果>
年代別で見た結果、特筆すべき点はありませんでした。
「その他」に寄せられた自由記述回答を紹介します。
男性より女性の回答が多く寄せられました。その内容は義両親に言われたこと・されたことなどが挙げられており、多くがネガティブなものでした。
「義実家に行きたくない」と回答した既婚男女1,188人に、義実家では配偶者は誰の味方になっているのかを聞きました。
<男女別の調査結果>
男性側(夫側)から見ると、妻は義両親の味方をしていると感じている人が多いことがわかりました。
反対に、女性側(妻側)は夫が自分の味方だと感じている人が多いようです。
<年代別の調査結果>
30代・40代・50代と、年代が上がっていくにつれて「義両親の味方」と回答した割合が増加しました。
【「義両親」と回答した割合】
「義実家に行きたくない」と回答した既婚男女1,188人に、自分の実家・配偶者の実家それぞれに行く理想のペース(頻度)を聞きました。
義実家に行くペースは、「冠婚葬祭だけ(349人)」「盆や正月だけ(307人)」の回答が特に多くなりました。
一方、自分の実家に行くペースについてはばらつきが出ています。
<男女別の調査結果>
「週1回以上」「月2~3回程度」「月1回程度」など、高い頻度での帰省について。義実家より実家に帰りたいと意欲を示したのは、女性のほうが高い結果となりました。
<年代別の調査結果>
義実家に行く頻度については、年代が上がるにつれて「冠婚葬祭だけ」の回答割合が高くなっています。
【義実家】
ただ、自分の実家に行く頻度についても年代が上がるにつれて「冠婚葬祭だけ」と回答した人の割合が高くなりました。
【自分の実家】
その他(自由記述回答)には、自分の実家でも「二度と行きたくない」「没交渉」などのコメントが寄せられていることから、義実家だけでなく自分の実家とも関係を絶ちたいと考えている人が多いと言えます。
続いては、配偶者との関係についてです。
ここまでは自身と義実家(義両親)の関係に関する設問でしたが、次は配偶者と義実家問題について。お互いの実家に関することで、配偶者と揉めたり喧嘩したりしたことがあるかを聞きました。
男女ともに「はい(喧嘩したことがある)」と回答した人は2割を超えています。なぜ喧嘩したのか、その理由についても聞きました。
最多だったのは「義両親との関係について」でした。
<男女別の調査結果>
どの年代でも「義両親との関係について」悩んでいたのは、男性より女性という結果に。
また、女性より男性の回答割合が高かったのは「帰省する頻度」について。夫側が自分の実家に帰りたくて妻と揉めたのか、もしくは妻が自分の実家に頻繁に帰りたがって揉めたのかは定かではありませんが、どちらもよく耳にする話と言えます。
<年代別の調査結果>
多くの項目で、50代・40代よりも30代の回答割合が高くなりました。
【年代が下がるにつれて回答割合が高かった項目】
一方、年代が上がるにつれて回答割合が高くなった項目もあります。
【年代が上がるにつれて回答割合が高かった項目】
年数を経て、義実家との付き合いを少しずつ攻略してきた一方で、義実家ならではのマイルールに悩まされている人は多いようです。
義実家絡みで喧嘩をしたことがあるという夫婦に、その後義実家に行くときの変化について聞きました。
喧嘩の前後で、義実家に行く頻度や態度などが変わったのかどうかを調査しています。
「何も変わらない」という回答が圧倒的に多い結果に。それでも、「行く頻度が減った」「態度が改善した」という回答が上位に入りました。
<年代別の調査結果>
30代・40代・50代と年代が上がるにつれ、回答割合が低くなった項目がいくつか見られました。
| 30代 | 40代 | 50代 |
態度が改善した | 18人(15.93%) | 32人(11.72%) | 37人(9.69%) |
態度は改善していない | 18人(15.93%) | 32人(11.72%) | 27人(7.07%) |
帰省する期間を短くした | 15人(13.27%) | 23人(8.42%) | 26人(6.81%) |
その一方で、反対の結果になった項目も。
| 30代 | 40代 | 50代 |
何も変わらない | 54人(47.79%) | 134人(49.08%) | 220人(57.59%) |
冠婚葬祭以外は行かないことにした | 4人(3.54%) | 13人(4.76%) | 23人(6.02%) |
「配偶者に言っても変わらない」と感じたり、義両親との関係を修繕するのが難しく、冠婚葬祭のみにとどめたりした人が多く見られました。
義実家(義両親)に関する喧嘩をした768人(男性368人・女性400人)に、その喧嘩で「離婚を考えたことがあるかどうか」を聞きました。
女性のほうが「はい(離婚を考えたことがある)」と回答した割合が若干高くなりました。
ちなみに男性では30代、女性では40代がそれぞれ「離婚を考えた」という回答割合が高い結果になっています。
義実家に行った際に迷うのがお手伝い。その家のルールがある以上、下手に踏み込めないと考える人も少なくありません。手を出すと怒られたり嫌がられたりする一方、何もしなければ嫌味を言われることもあるお手伝い。
世の夫婦は、義実家に行ったときどのように役割分担をしているのでしょうか。
ここからのアンケート調査は以下の内容で実施しています。
調査期間:2024年11月15日~2024年11月15日 調査対象:「義実家に行きたくない」と回答した全国の既婚男女1,188人のうち、無作為に抽出した既婚男女200人 調査方法:インターネット(アンケートサイトFreeasyを利用) 調査エリア:全国 有効回答数:200(男性:80人・女性:120人) ・30代…34人(男性10人・女性24人) ・40代…76人(男性27人・女性49人) ・50代…90人(男性43人・女性47人) |
「義母・義父がメインで自分が少し手伝う」と回答した女性が突出しています。「配偶者が手伝う、自分は手伝わない」と回答した男性の割合が高いことからも、女性のほうが義実家で手伝いをしていることがわかりました。
自分が主体となったり、妻より手伝う量を増やしたりしている男性は残念ながら少ない結果に。
義実家に行きたくない理由の設問では、「配偶者が気を遣ってくれない」と回答した女性の割合が非常に高くなりました。
そこで、義実家にいるときの配偶者について嫌なところがあるかどうか、男女それぞれに聞きました。
「特になし」という回答が最も多くなりましたが、それ以外では「気を遣ってくれない」が一番多い結果になりました。
<男女別の調査結果>
女性の回答割合が特に高かった項目はこちら。
男性は実家に帰省すると、夫や父親という役割から「息子」に戻ってしまうと言えます。実家への帰省はリフレッシュになる一方、最も気を遣わなければならない配偶者に対しては、気遣いや思いやりが欠けてしまうようです。
反対に、男性の回答割合が高かった項目は以下の通りでした。
また、「その他」に寄せられた回答も紹介します。
義実家に行きたくない、その気持ちを正直にぶつけるかどうかは悩みどころです。義実家に行くのを断ったことがあるかどうか、そしてどのような理由で断ったのかを聞きました。
「断ったことはない」という回答が最多でした。
「断った」中で最も多かったのは「体調不良」によるもの。新型コロナウイルス、インフルエンザ、マイコプラズマなどさまざまな感染症にかかるリスクがある中、義実家に行くのを回避するにはもってこいの理由と言えます。
次いで、「仕事」「コロナウイルスなどの感染リスク」「配偶者から断ってもらった」と続きました。
中には「理由は特になく正直に断った」という強者も。
インフルエンザやノロウイルスなどが流行しやすい冬場、年末年始は体調不良や感染リスクを理由に帰省を断りやすい時期と言えます。しかしながら、その気持ちを汲んでくれない配偶者や義両親がいるのも事実です。
仕事や子どもの習い事といった断り方だけでなく、最近耳にするようになった「父子帰省(母子帰省)」のように、配偶者(と子ども)だけで帰省してもらうという方法もあります。自分たちに合った方法で、切り抜けてみてください。
今回の調査では、盆・正月などの帰省時、義実家に行きたくないと思う人が多数派だということを示す結果となりました。
たとえ義実家との関係が良好だと感じていても、自ら進んで義実家に行きたいと思う人は少数派です。「仲が良いと思っていた」「楽しそうだった」と思っても、実際はそうではないかもしれません。今回のアンケート調査では、義実家に関する揉め事・喧嘩で離婚を考えたことがある人も多くいることがわかっています。
自分の実家に配偶者を伴って行く際には、配偶者がどのような扱いを受けているのか、しっかりと注視しましょう。また、一度腹を割って聞いてみるのもおすすめです。
今後も既婚者クラブではサービス向上のため、多様化する夫婦関係やパートナーシップについてさまざまな観点から調査を行ってまいります。
既婚者クラブ代表者 鈴木慎吾
今回の調査について、データや詳細に関するお問い合わせからお願い申し上げます。