どれだけ愛し合って結婚しても、時には意見が合わず喧嘩続きになることはどんな夫婦にもあり得ます。
家出・浮気・別居・離婚──さまざまな距離の置き方がある中で、「家庭内別居」を選ぶ人は少なくありません。
そこで、既婚男女3,000人に「家庭内別居」に関するアンケート調査を実施。実際にどれくらいの人が家庭内別居をしたことがあるのか、その結果夫婦関係はどうなったのかを聞きました。
調査期間:2024年9月27日~2024年9月27日 調査対象:全国の30歳~59歳までの既婚男女 調査方法:インターネット(アンケートサイトFreeasyを利用) 調査エリア:全国 有効回答数:3,000(男性:1,785人・女性:1,215人)
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まずは、家庭内別居を経験したことがあるかどうかを調査。
全国の既婚男女3,000人(男性1,785人・女性1,215人)に対し、家庭内別居をしたことがあるかを聞きました。
「はい(家庭内別居をしたことがある)」と回答したのは、既婚男女3,000人のうち461人。15.37%の人が家庭内別居を経験していることがわかりました。
年代別では以下の通りです。
| 30代(413人) | 40代(1,093人) | 50代(1,494人) |
はい | 57人(13.8%) | 159人(14.55%) | 245人(16.4%) |
いいえ | 356人(86.2%) | 934人(85.45%) | 1,249人(83.6%) |
結婚年数が長くなるほど、家庭内別居を経験する確率が上がっていることがわかります。
「家庭内別居をしたことがない」と回答した既婚男女2,539人に対し、家庭内別居に抱くイメージを聞きました。ポジティブ・ネガティブな選択肢に加え、自由記述で回答してもらいました。(複数選択可)
まず、選択による回答です。
「ストレスが溜まりそう(1,127人)」「楽しくなさそう(1,117人)」が特に多い回答となりました。次いで、「家に帰りたくなくなりそう(954人)」「子どもがかわいそう(758人)」と、ここまでネガティブなイメージが続きます。
「自由そう(336人)」「気楽になりそう(304人)」「うらやましい(107人)」といったポジティブなイメージは、すべて下位となりました。
<年代別の調査結果>
【30代(356人)】
【40代(934人)】
【50代(1,249人)】
どの年代でも順番は大きく変わりませんが、30代のみ「子どもがかわいそう」がトップ3に入りました。
<男女別の調査結果>
「自由そう」「うらやましい」「気楽になりそう」、ポジティブなイメージを選んだ割合が高かったのはすべて女性でした。
| 女性の割合(1,060人) | 男性の割合(1,479人) |
自由そう(336人) | 180人(16.98%) | 156人(10.55%) |
気楽になりそう(304人) | 177人(16.7%) | 127人(8.59%) |
うらやましい(107人) | 67人(6.32%) | 40人(2.7%) |
<その他の意見>
家庭内別居についてどのようなイメージを持っているのか、自由記述での回答をまとめました。
離婚したほうが良い、一緒にいる意味がないなど、男女ともに否定的な意見が目立ちました。
家庭内別居を経験したことがない既婚男女に、もしパートナーから家庭内別居したいと切り出された場合、どのように対応するかを聞きました。
「話し合いをして回避する(1,103人)」が最多回答に。「条件付きで応じる(558人)」「離婚する(391人)」「家を出る、実家に帰るなど完全別居をする(332人)」「全面的に応じる(155人)」と続きました。
<年代別の調査結果>
「条件付きで別居婚に応じる」と回答したのは、40代が206人(22.06%)でもっとも多くなりました。また、年代が上がるほど「離婚する」と回答した割合も上がっています。
<男女別の調査結果>
男性はほぼ半分が「話し合いをして回避する(738人・49.9%)」と回答。一方、女性は「条件付きで応じる(304人・28.68%)」と回答した割合が男性を大きく上回りました。
続いて、「家庭内別居をしたことがある」と回答した人への質問です。
家庭内別居を経験した既婚男女461人(男性306人・女性155人)に、どうして家庭内別居が始まったのか、その理由を聞きました。(複数選択可)
最多回答は「喧嘩が続いた(173人)」でした。
次いで「生活リズムのずれで自然に(158人)」「相手に冷めた、嫌いになった(124人)」「自分に好きな人ができた(59人)」「相手の浮気、不倫があった(50人)」と続きます。
<年代別の調査結果>
30代・40代は「喧嘩が続いた」が最多回答ですが、50代は「生活リズムのずれで自然に」が最多でした。
<男女別の調査結果>
「自分に好きな人ができた」は男性48人(15.69%)・女性11人(7.1%)。「相手の浮気、不倫があった」は男性30人(9.8%)・女性20人(12.9%)で、いずれも男性側の心がパートナーから離れる傾向が見られました。
<その他の意見>
男女ともに、パートナーへの不満が噴出。家庭内別居に至ったさまざまな理由が寄せられました。
家庭内別居に至った既婚男女461人に、家庭内別居を切り出したのは自分とパートナーどちらだったのかを聞きました。
どちらかが提案してスタートしたのではなく、自然な流れで家庭内別居がスタートしたという回答がもっとも多くなりました。
<年代別の調査結果>
「自分から切り出した」と回答した割合は、30代が最多でした。「どちらからともなく自然に」という回答割合は40代のみ5割を超えています。
<男女別の調査結果>
| 男性(306人) | 女性(155人) |
自分から | 85人(27.78%) | 49人(31.61%) |
相手から | 82人(26.8%) | 12人(7.74%) |
どちらからともなく | 130人(42.48%) | 93人(60%) |
家庭内別居を切り出したのは、女性のほうが多いという結果になりました。
家庭内別居を経験した既婚男女461人に、家庭内別居をスタートしたのは結婚何年目のときだったのかを聞きました。
最多だったのは「結婚15年目以降(151人)」。年数を重ねるごとに、家庭内別居を経験した割合が増えていることがわかりました。中には結婚1年未満、つまり新婚のときから家庭内別居をスタートしたという人も。
<男女別の調査結果>
男女ともに最多回答は「結婚15年以降」ですが、2番目に多かったのは男性が「結婚10年~15年未満(61人・19.93%)」、女性が「結婚5年~10年未満(30人・19.35%)」でした。
女性側は子どもができて特に目をかける必要がある時期、男性側は子どもがある程度大きくなって妻に少しゆとりができた時期と言えるのではないでしょうか。
<年代別の調査結果>
年数を経ていくごとに、家庭内別居が始まる確率も高まっていきました。特に50代は、235人中111人(45.31%)が「結婚15年目以降」で家庭内別居が始まったと回答。
家庭内別居をしたことがある人に対し、家庭内別居を親戚や友人など誰かに話したことはあるかを聞きました。
「話した(160人)」より、「話していない(225人)」のほうが多くなりました。わざわざ家庭内別居していることを自分から話す人はあまりいないと言えます。
中には、「話していないけどバレている(71人)」と感じている人も。
<年代別の調査結果>
40代・50代は「話していない」が最多回答に。30代は「話した(22人・38.6%)」が最多回答になりました。「話していない」と回答した人は、年代が上がるにつれて急激に回答割合が上がっています。
<男女別の調査結果>
「話した」と回答したのは女性が、「話していない」と回答したのは男性のほうが高い割合になりました。
家庭内別居をしている既婚男女に、完全別居・離婚をしないのはなぜなのかを聞きました。
最多回答は「今はそのタイミングではないと思うから(151人)」でした。「経済的理由で完全別居が難しいから(144人)」が僅差で続き、「世間体のため難しいと思うから(80人)」「子どもの転校、転園で完全別居が難しいから(79人)」と続きます。
また、「相手のことが好きだから(68人)」と回答した人も。
<男女別の調査結果>
上位3位の「今はまだそのタイミングではないと思うから」「経済的理由」「世間体のため難しい」は男女とも同じ順位に。「相手のことが好きだから」と回答したのは、女性12人(7.74%)に対し男性56人(18.3%)、男性の愛情の強さが女性を大きく上回る結果となりました。
<その他の意見>
パートナーが好きと回答した人が多かった一方で、さまざまな理由によって完全別居・離婚を断念している人も見られました。
家庭内別居をしたことがある既婚男女に、家庭内別居中の生活費はそれぞれどのように負担していたのかを聞きました。
「平等に負担(これまで通り)(119人)」がもっとも多い回答となりました。
僅差で「夫側がすべて負担(113人)」「夫側が多く負担(これまで通り)(107人)」と続きます。家庭内別居が始まってから負担割合を変えるという人は、少数派となりました。
家庭内別居をしたことがあると回答した既婚男女461人に、家庭内別居を終わらせるために何かしたことがあるかを聞きました。
男女ともに「話し合い」がほとんどでした。
中には、夫婦二人ではなかなか解決に至らずお互いの両親に介入してもらったり、調停で決着をつけたりしたケースも。また、特に何かをしたわけではなく自然に家庭内別居状態が終わったという人も少なくありませんでした。
残念ながら、家庭内別居解消や夫婦関係の改善には至らず離婚という道を選んだ人も。
ここからは、「家庭内別居をしたことがある」と回答した既婚男女461人のうち、無作為に抽出した200人の回答をまとめました。
調査期間:2024年9月30日~2024年9月30日 調査対象:全国の30歳~59歳までの既婚男女のうち、家庭内別居をしたことがあると回答した人 調査方法:インターネット(アンケートサイトFreeasyを利用) 調査エリア:全国 有効回答数:200(男性:133人・女性:67人)
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まずは、家庭内別居中に何らかのルールを設けていたかどうか、設けている場合はどのようなルールだったかを聞きました。
目立ったのは「挨拶」に関するルール。最低限、一緒に暮らす家族として挨拶はきちんとすることを決めていた人が多く見られました。
特にルールを設けていない人も多数。他には、家庭内別居中の費用負担に関するルールや子どもに関すること、どちらかが体調を崩したときにサポートをするなどの取り決めをしている人がいました。
家事分担や食事をとるタイミングなどは家庭によってバラバラ。「食事は一緒にとる」という夫婦もいれば、「各自食事を済ませる」という夫婦も。生活リズムやスタイルに合わせたルールをそれぞれ作っているようです。
家庭内別居をスタートしたとき子どもがいたかどうか、さらに「子どもに関する行事」はどのように対応したのかをそれぞれ聞きました。
「子どもがいた」と回答したのは144人、全体の72%でした。
そのうち、子ども関連の行事には「夫婦で参加した(75人)」と回答した人が最多に。
<年代別の調査結果>
30代~50代、いずれの年代も子ども関連の行事には「夫婦で参加した」が最多回答でした。50代のみ、「片方のみ参加した」の回答が夫婦で参加の回答数と並びました。
最後に、家庭内別居を経験した人に対し「家庭内別居を経て夫婦関係はどうなったか」を聞きました。
家庭内別居をしても、夫婦関係は特に「変わらなかった」と回答した人が119人(59.5%)と半数を超えました。「良くなった(49人・24.5%)」が「悪くなった(29人・14.5%)」を上回る結果に。
家庭内別居でいったん距離を置きながらも、その後は無事に関係を修復できた人が多くなりました。
<年代別の調査結果>
30代は「良くなった」「悪くなった」の回答割合がそれぞれもっとも高くなりました。40代、50代と年代が上がるにつれ「変わらなかった」の回答割合が増加。どっちつかずの関係が長く続いていることがわかります。
<男女別の調査結果>
夫婦関係が「悪くなった」と回答した割合は、女性が男性を上回る結果に。男女ともに「変わらなかった」の回答がもっとも多くなりました。
家庭内別居をしたことがあるのは、既婚男女3,000人のうち461人で全体の15%ほどとなりました。
家庭内別居を経験したことがない人にとって、家庭内別居は「離婚したほうが良い」「一緒にいる意味がない」などネガティブなイメージばかり。しかし、実際に家庭内別居をした人の中には、夫婦関係が良くなったと感じている人も少なくありませんでした。
家庭内別居中はお互いにルールを設け、同じ家で暮らす家族同士、最低限のマナーを守りながら生活をしていた人が多く見られました。そのルールは細かなものではなく「挨拶をする」「連絡は取る」など。お互い深く干渉しないものの、確かなつながりを持ったまま行われるのが家庭内別居と言えるでしょう。
今後も既婚者クラブではサービス向上のため、多様化する夫婦関係やパートナーシップについてさまざまな観点から調査を行ってまいります。
既婚者クラブ代表者 鈴木慎吾
今回の調査について、データや詳細に関するお問い合わせからお願い申し上げます。